10:00~11:00

特別講演

  • 座長  のぞみ会スガモ駅前整形外科
    理事長 住田 憲祐 先生
  • 演者  矢倉クリニック
    院長 矢倉 久嗣 先生
  • 演題名 AKA-博田法 ―ポジショニング、密着から 仙腸関節、椎間関節の副運動技術を中心に―
日本整形学科学会 教育研修会
認定分野番号 [7][11]
希望単位 リハビリ

矢倉クリニック
院長 矢倉 久嗣(やぐら ひさつぐ)先生

ご略歴

学歴・職歴

  • 1978年 3月 大阪市立大学医学部卒業
  • 1978年 4月 大阪市立大学医学部脳神経外科学教室入局
  • 1980年 4月 大阪市立大学医学部附属病院退職
  • 1984年 5月 馬場記念病院脳神経外科部長
  • 1989年 1月 同病院リハビリテーション科部長兼務
  • 1994年 1月 同病院退職
  • 1994年 6月 矢倉クリニック開設

免許

  • 1978年 6月 医師免許取得
  • 1991年 6月 博士号取得
  • 1998年 3月 日本AKA研究会専門医取得
  • 1999年 3月 日本AKA研究会指導医取得
  • 元 日本脳神経外科専門医
  • 元 日本リハビリテーション科臨床認定医

関節運動学的アプローチ(arthrokinematic approach: AKA)博田法には、副運動技術と構成運動技術があり、関連技術として関節神経学的治療法(articular neurological therapy: ANT)がある。このうち副運動技術が基本で、この技術を習得すれば、他の2技術の習得は比較的容易である。その理由は、密着および関節面の動きの感覚はすべてに共通し、副運動技術は対象の静止状態で行えるからである。

副運動技術は関節の最大ゆるみの位置(least-packed position: LPP)において、関節面の離開、滑り、軸回旋を行う方法である。この技術の要点は、関節面を動かす力と速度を最小限にし、関節静的反射(arthrostatic reflex)を誘発しないこと、副運動2型(accessory movement 2nd type)を感知すること、技術の成否の判定は副運動2型および関節軟部組織過緊張(または低緊張)連鎖の改善で行うことである。治療目的は、関節包内運動異常の改善、関節受容器機能の正常化、および関節包内軟部組織の伸張(関節拘縮の治療)である。副運動技術において、骨を動かす操作の強さには「強」、「中」、「弱」の3段階があり、治療は強と弱で行い、中は強弱の指標として利用する。

すべての技術において、操作の前提となるのは密着である。術者の指と治療関節を構成する骨との密着感を覚えることが基本となる。密着とは、術者の指の骨と動かす対象の骨との距離を最小にすることで、関節静的反射を誘発しないことが重要となる。

そのためには、2つの骨の間に介在する軟部組織の緊張を取り除き、圧により軟部組織が圧縮される必要がある。密着した状態では2つの骨は一体となり、患者は動かされている感覚がなくなる。

関節には機械受容器の反応として関節静的反射と関節運動反射(arthrokinetic reflex)がある。関節の静止状態で強い力か、速い動きを加えると、関節静的反射が発生し、関節は動かなくなるばかりではなく、軟部組織が緊張して圧縮できなくなる。それゆえ、密着を可能にするには、術者の指の力を最小限にする必要があり、主たる力源として腰と近位筋力を用いる。その基本となるのが、ポジショニングと区別的リラクセーション(differential relaxation)である。区別的リラクセーションとは、必要な筋を必要な強さで収縮させ、不要な筋収縮を起こさないことである。

 

ポジショニングにより、①腰を入れることができ、②手の力を抜くことができ、③密着ができ、さらに④「強」の操作ができ、強弱のコントロールが可能となる。ポジショニングの設定は足から始まり、足関節―膝関節―股関節・骨盤―体幹―肩関節・肩甲帯―肘関節―前腕―手関節―手指の順に行う。この順序を違えると、密着・操作が困難となる。下肢の位置を誤ると腰に力が入らなくなり、上肢の位置が定まらず、手の力が抜けなくなる。ポジショニングは操作する関節により異なるが、いくつかの類型があり、治療関節からの距離、足の開き方、膝関節の使い方、腰の高さの調節、腰が入るか否か、手の力が抜けるか否か、動かす範囲(構成運動)などを考慮して決定する。ポジショニングが終了すると、必ず目視して成否を確認する。

今回はポジショニングから密着について、ついで副運動技術のなかの仙腸関節の離開、滑り、椎間関節の滑りの副運動の習得を中心に話を進めたいと思います。

11:05~12:05

基調講演

  • 座長  明治国際医療大学 名誉教授
    たなかクリニック
    田中 忠蔵 先生
  • 演者  AKA医学会 理事長
    かただ整形外科
    院長 片田 重彦 先生
  • 演題名 AKA-博田法の基礎と疼痛の診断・治療
日本整形学科学会 教育研修会
認定分野番号 [1][13]
希望単位 リハビリ

AKA医学会 理事長
かただ整形外科
院長 片田 重彦(かただ しげひこ) 先生

ご略歴

学歴・職歴

  • 1972年 慶応義塾大学医学部卒業。同整形外科助手
  • 1981年 藤田医科大学整形外科講師
  • 1981-1982年 スイスチューリッヒ大学整形外科留学
  • 1986年 国立小児病院整形外科 医長
  • 1993年 かただ整形外科 院長
  • 2011年 日本AKA医学会 理事長

AKA-博田法は関節運動の改善を目的にしている。その結果疼痛の改善がおこる。

運動の改善がなぜ疼痛の改善になるのか、それは関節機能障害で仮性拘縮に陥った関節は仮性拘縮の限界を超える運動で疼痛を生じるからだ。

関節機能障害ではタイプⅠの感覚受容器が刺激されて関節静的反射が亢進し、周辺軟部組織は過緊張状態になる。その過緊張状態は高閾値のタイプⅣの侵害受容器の感受性を高め疼痛を感じるようになる。したがって関節の通常の運動で疼痛を生じるようになる。

関節機能障害による仮性拘縮がAKA-博田法で消失するとこうした過程がなくなり疼痛が消失する。 関節の機能障害では骨運動が制限されているが、同時に副運動も制限されている。AKA-博田法で副運動の制限がなくなると骨運動は正常化される。これがAKA-博田法の診断治療にて行われる基本である。

副運動障害は同側のほかの関節に連鎖する。仙腸関節機能障害が起こると同側の関節に副運動障害が連鎖する。例えば同側の膝関節、足関節、椎間関節、肋堆関節などに副運動障害が連鎖する。これを関節軟部組織過緊張連鎖といい、この原理は診断、治療に用いられる。

診断に際しては関節軟部組織過緊張連鎖を使う。仙腸関節機能障害ではL5、L4の椎間関節の副運動の動きが悪くなるのでこれを診断に使う。ついでAKA-博田法を行ってそれが改善しているかをみる。

治療に際しては関節静的反射を生じないような技術で、離開が十分にできること、それには密着を「強」にして、加える力には腰を入れる必要がある。

13:30~14:30

招待講演1

  • 座長  岡田理学クリニック
    院長 岡田 征彦 先生
  • 演者  慶應義塾大学医学部解剖学講座
    准教授 今西 宣晶 先生
  • 演題名 機能的観点からみた結合組織の肉眼解剖   ーPAFS,LAFSの概念ー
日本整形学科学会 教育研修会
認定分野番号 [1][13]
希望単位 リハビリ

慶應義塾大学医学部解剖学講座
准教授 今西 宣晶(いまにし のぶあき)先生

ご略歴

  • 1984年   3月 慶應義塾大学医学部卒業
  • 1984年   5月 慶應義塾大学医学部研修医(形成外科)
  • 1985年   5月 慶應義塾大学病院外科出向(3年間)
  • 1988年   5月 慶應義塾大学助手 (医学部形成外科学)
  • 1990年   7月 新しい皮弁開発に必須の皮膚皮下組織の血管解剖の解明のため解剖学教室へ 慶應義塾大学助手(医学部解剖学)
  • 1991年   3月 日本形成外科学会専門医 取得。
  • 1994年   4月 「機能的観点からみた脂肪筋膜組織の解剖学的研究」で博士(医学)
  • 1998年 10月 慶應義塾大学専任講師(医学部解剖学)
  • 2007年   9月 慶應義塾大学准教授(医学部解剖学)

現在臨床(形成外科)も行いながら、全身の皮膚皮下組織の筋膜構造と血管(動静脈)の3次元構造の解明、光超音波イメージングによる脈管画像研究などおこなっている。平成20年よりは外科系各科がfresh cadaverを用いて教育・研究できる施設clinical anatomy laboの立ち上げに参加し、その管理、運営にも従事している。

脂肪筋膜組織の肉眼解剖

人体がどの様な器官で構成されているかと問うと、心臓・脈管系、呼吸器系、消化器系、神経系、筋・骨格系などの答えが返ってくるが脂肪筋膜系を挙げる人はいない。この脂肪筋膜系は組織学的には結合組織の一つであり、実質臓器ではないため、肉眼解剖学ではあまり顧みられることのない組織である。しかし、我々の体を外力から守るクッションとして働いていたり、滑走性を有し筋・骨格系の運動を潤滑にさせたり、機械的機能をもつシステムとして存在している。

この脂肪筋膜系の「筋膜」という用語は一般にも使用されているが、「筋膜」の定義は解剖学においても曖昧で議論があるところである。我々は線維組織の総称として捉えている。線維組織は身体各部位において膜状となって臓器や筋群を包んだり、組織間に線維状に緩くあるいは固く存在したり、緻密な束状(靭帯や腱)となったり、密度や形態を変化させ、全身に渡って連続している。この様子は線維組織が筋膜骨格を形成していると言える。その中で皮下や深筋膜下においては線維組織間に脂肪が様々な程度で沈着し脂肪筋膜系を構成している。

皮下の脂肪筋膜組織の肉眼構造は身体各部位において変化に富んでいるが、その基本構造は境界に明瞭な膜を有する2層構造である。浅層は脂肪小葉が粒状で周囲筋膜も堅い。外力から深部を守るクッションの役割を果たしていると考え防御性脂肪筋膜系(protective adipofascial system=PAFS)と命名した。一方深層は部位によっては脂肪小葉が消失していることもあるが、小葉の形状は比較的扁平であり、筋膜も疎で可動性に富んでいる。この層は筋骨格の動きに対する皮膚の潤滑剤として働いていると考え潤滑性脂肪筋膜系(lubricant adipofascial system=LAFS)と命名した。

この基本2層構造は頭頚部や腹部、背部に分布しているが、身体各部位において次の3つの構造に移行している。①体幹正中部、身体各部位の移行部、膝窩など、外観上、溝や窪みが生じている部位ではLAFSの筋膜が深部の骨や深筋膜に向かい付着し、皮膚が係留される構造となっている。これをアンカリング構造と呼んでいる。②手掌や足底、臀部などLAFSがなく、PAFS1層構造となっている。③胸部や四肢の多くの領域では、境界に明瞭な膜がないPAFS、LAFS2層構造となっている。

深筋膜下の筋間においても脂肪筋膜組織は存在し、ここではLAFSとなっている。特に神経や腱の周囲のLAFSはその潤滑性が顕著となっている。また膝蓋腱後方のようにスペースがある場合、LAFSの脂肪は大きくfat padと呼ばれている。 

以上のように皮下、深筋膜下を問わず脂肪筋膜組織は身体各部位で形態、構造を変化させ、その部位で必要とする機械的な機能にあった合目的なものとなっている。

今回は身体各部位のPAFS、LAFSの形態を供覧しその機械的役割について言及するが、今回の発表のように従来の解剖図よりもう少し厳密な解剖を明らかにすることは臨床にとって非常に重要であると考えている。我々はこの解剖をマクロとミクロの中間の解剖学と位置付けている。2,3例を挙げて解剖所見およびその意味するものについても言及したい。

14:35~15:35

招待講演2

  • 座長  こぐれ理学診療クリニック
    院長 木檜 晃 先生
  • 演者  東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科・医学部 システム発生・再生医学分野
    教授 浅原 弘嗣 先生(Hiroshi Asahara, M.D., Ph.D.)
  • 演題名 腱に紡がれる運動機能とその破綻による関節疾患
日本整形学科学会 教育研修会
認定分野番号 [8][13]
希望単位 リハビリ

東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科・医学部 システム発生・再生医学分野
教授 浅原 弘嗣 (あさはら ひろし)先生

浅原弘嗣教授

ご略歴

学歴・職歴

  • 1992年 岡山大学医学部卒業、岡山大学整形外科教室入局
  • 1997年 米国ハーバード大学医学部 Montminy研究室 博士研究員
  • 1999年 日本学術振興会 海外特別研究員。
  • 2000年 米国ソーク研究所 スタッフサイエンティスト
  • 2001年 科学技術振興事業若手個人研究推進事業さきがけ研究員
  • 2002年 米国スクリプス研究所 Principal Investigator
  • 2004年 国立成育医療センター研究所移植・外科研究部 部長
  • 2011年 東京医科歯科大学(医系)システム発生・再生医学分野 教授

研究費、学会賞、受賞歴

  1. 文部科学大臣表彰 若手科学者賞(2006)
  2. JST-CREST慢性炎症 代表研究者(2010)
  3. ノバルティス・リウマチ医学賞(2012)
  4. AMED-CRESTメカノバイオロジー 代表研究者(2016)
  5. 日本骨代謝学会 学術賞 (2017)
  6. 全米医学アカデミー(NAM)Catalyst Award (2020)
  7. 日本リウマチ学会賞(2022)
  8. AMED-LEAP 研究代表者(2022)
  9. 文部科学大臣表彰 科学技術賞(2023)

日本が高齢社会に突入するにあたり、加齢とともに激増する骨粗鬆症、変形性関節症、サルコぺニア(筋肉量の減少)など運動器疾患は、“寝たきり”などによる日常生活の低下と2次的な疾病の原因となり、社会的な損失も甚大である。また、東京2020オリンピック・パラリンピック競技大会に代表されるように、ヒトの運動能力・アスリート能力は、時代と国境を越えて多くの心を引魅了し、その記録は人類の文化的財産として共有される。生物をして、“動”物たらしめる運動器においては、外界から摂取されたATPエネルギーが“運動エネルギー”として“発現・伝達”され、更に、次のエネルギーを吸収するために効率的に“動く”という、動物生命活動の中心的な意義を果たす。適度な運動活動は、生体にメカノ刺激を及ぼし、運動器組織の恒常性、すなわち健康を維持し、高める。このメカノ刺激を感知する分子レセプターの一つがスクリプス研究所のArdem Patapoutian博士らによって見出されたPIEZO1であり、Patapoutian博士は、その功績によって2021年のノーベル医学・生理学賞に輝いた。また、2022年は、筋と腱・靱帯のエネルギー伝達の基礎となるHillのモデルを提唱したHill博士がノーベル賞を受賞して丁度100年になる。我々は、このメカノレセプターとHillモデルを組み合わせた新たな腱・靱帯の機能によって、ヒトやマウスの個体運動能力が大きく左右されることを明らかにした。

本講演では、腱によって紡がれる我々の運動器が、どのような分子機構および物性システムで、その機能を発揮するのか、その維持がヒトの健康にどう役にたつか、スポーツの能力は、遺伝子・分子レベルで、どのように規定されているのか、そして、腱の疾患にどう取り組んでいけばいいのか、従来、活性がないと思われていた結合組織である、腱のもつ、今明かされる生物学的・物性的な活性について、私たちの知見を共有、議論したい。

15:40~16:40

招待講演3

  • 座長  片岡整形・形成外科
    院長 片岡 裕晶 先生
  • 演者  東京慈恵会医科大学 整形外科学講座
    主任教授 斎藤 充 先生
  • 演題名 運動器の成熟と老化を科学する ー身体のしなやかさと硬さの根幹コラーゲンの役割ー
日本整形学科学会 教育研修会
認定分野番号 [1][4]
希望単位 リハビリ

東京慈恵会医科大学 整形外科学講座
主任教授 斎藤 充(さいとう みつる)先生

ご略歴

学歴・職歴

  • 1992年   3月 東京慈恵会医科大学卒業
  • 1994年   5月 東京慈恵会医科大学 大学院・DNA医学研究所・分子細胞生物学部門
  • 1998年   4月 東京慈恵会医科大学整形外科 助手
  • 1999年   1月 学位(医学博士)受領
  • 2001年   7月 国立宇都宮病院 整形外科 医長(臨床研究部室長 兼務)
  • 2007年   3月 東京慈恵会医科大学 整形外科 講師
  • 同年    東京慈恵会医科大学 附属病院 整形外科 診療医長
  • 2011年 10月 東京慈恵会医科大学 整形外科 准教授
  • 同年    東京慈恵会医科大学 附属第三病院 整形外科 診療副部長
  • 2012年   4月 東京慈恵会医科大学 附属第三病院 整形外科 診療部長
  • 2013年 10月 東京慈恵会医科大学 附属病院(本院) 診療副部長(准教授)
  • 2015年    トロント大学整形外科 Toronto General/Western Hospital, Hip & Knee surgery
  • 2018年   1月 東京慈恵会医科大学 附属病院 診療部長
  • 2020年   4月 東京慈恵会医科大学 整形外科学講座 主任教授

理事・評議員等

  • 理事  日本人工関節学会,日本股関節学会,日本骨・関節感染症学会,日本骨粗鬆症学会,日本骨代謝学会,糖化ストレス研究会,International Society of Personalized Medicine(国際個別化医療学会),東日本整形災害外科学会
  • 代議員 日本整形外科学会(学会100周年委員会:委員長,学術研究企画委員).日本ビタミン学会
  • 評議員 日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会(JOSKAS),日本抗加齢医学会
  • 世話人 関東 膝を語る会
  • 幹事  日本運動器移植・再生医学研究会, 日本生体電気・物理刺激研究会
  • 委員等 医薬品医療機器総合機構(PMDA) 委員:再生医療・薬剤安全性、ワクチン副反応対策
    日本骨粗鬆症学会 生活習慣病における骨折リスク評価委員会 委員
    日本骨粗鬆症学会 骨粗鬆症の予防と治療のガイドライン執筆委員
    骨粗鬆症大規模臨床試験(A-TOP研究会) 実行委員
    富士通(株)健康推進本部 有識者会議メンバー

ジャーナル編集委員

  • Associate Editor Journal of Bone and Mineral Metabolism (JBMM)
  • Editorial board  BONE, Journal of Orthopaedic Science (JOS)
  • 編集主幹     Monthly Book Orthopaedics

国際ジャーナル査読委員

  • Reviewer nature Clinical Practice,Scientific Reports,Plos One,Arthritis & Rheumatism (A&R),The Knee,Journal of Orthopaedic Research (JOR),J Bone Miner Res (JBMR),Osteoporosis International,BONE, Calcified Tissue International,BMC Musculoskelet Disords,Kidney International,Journal of Clinical Endocrinology & Metabolism,Clinical Endocrinology,Life Science, Analytical Biochemistry

受賞

国内(15受賞)

  • 平成16年度 日本骨代謝学会    優秀賞
  • 平成18年度 日本結合組織学会   大高賞
  • 平成19年度 日本骨粗鬆症学会   研究奨励賞
  • 平成19年度 日本骨粗鬆症学会   第2回森井賞
  • 平成19年度 日本骨形態計測学会  学会賞
  • 平成19年度 中冨健康科学財団助成 受賞
  • 平成20年度 日本骨代謝学会    研究奨励賞
  • 平成21年度 科学技術映像祭    医学部門 優秀賞
  • 平成21年度 日本骨粗鬆症学会   研究奨励賞
  • 平成22年度 日本骨粗鬆症学会   研究奨励賞
  • 平成23年度 日本総合健診医学会  学術奨励賞
  • 平成23年度 日本骨代謝学会    学術賞
  • 平成24年度 日本骨粗鬆症学会   学術奨励賞
  • 平成24年度 日本骨粗鬆症学会   第7回森井賞
  • 平成25年度 日本骨粗鬆症学会   研究奨励賞

海外(3受賞)

  • 平成21年度 米国骨代謝学会 ASBMR
    優秀賞
  • 以下,アジア人初2受賞
  • 平成24年度 Prize in Osteoporosis International
    Most highly cited top5 review article
    (雑誌Osteoporosis Int: 2008-2010最多引用Top5論文賞)
  • 平成25年度 Prize in Osteoporosis International
    Most highly cited top5 review article
    (雑誌Osteoporosis Int: 2009-2011最多引用Top5論文賞)

その他

  1. 特許:斎藤充(発明者).培養骨製造装置。
  2. 特許:斎藤充(発明者)医療承認済.AIソフトSmart QM(椎体骨折評価ソフト)
  3. 商標登録:斎藤充.善玉架橋.商標番号:2006-002034,2006年1月:現在継続
  4. 商標登録:斎藤充.悪玉架橋.商標番号:2006-002049,2006年1月:現在継続
  • 1985年:国民体育大会(わかとり国体):サッカー東京代表・副主将
  • 1982年:東京都サッカー大会,優勝,東京都最優秀ゴールキーパー

運動器を構成する骨、腱、靱帯、皮膚、その他の軟部組織は、成長とともにその力学的強度を増し、重力に抗して身体を支え、激しい運動にも耐えられるように成熟した組織を構築するが、壮年期以降はその強度は徐々に低下する。この間、それぞれの組織では新陳代謝を繰り返し、その構成成分の量や質および形状を変化させ、生体の要求に応じた組織を作り上げている。コラーゲンは骨、腱、靱帯、皮膚の主要な構成蛋白質であり、強度の面のみならず細胞の足場として組織特異的な分化にも関わることがわかってきた。これらの組織を造り上げる主要なコラーゲンは全て棒状蛋白である「1型コラーゲン」である。当然ながら遺伝子配列も臓器間で差はない。しかし興味深いことに、遺伝子は例え同じ1型コラーゲンでも、組織ごとに特異的な機能を発揮し、形態学的にもコラーゲン分子の集合体であるコラーゲン線維の太さも個々の組織で異なる。運動器を支える1型コラーゲンが、生体の要求に応じた組織特異的な機能を発揮するために、個々の組織で特異的な装飾(翻訳後修飾)が施される。すなわち、組織の機能や成熟や老化を考える上では、遺伝子の発現のみに注目しても正しい答えはでてこない。演者らは世界で初めて微量な組織や体液から網羅的な蛋白質分析を可能とする装置を開発し、動物モデル、ヒト組織、コホート研究でエビデンスを発信してきた。慈恵整形初の世界初の概念をのべた2010年の論文は被引用数が954に達し、一連のコラーゲンに関する研究論文の現時点での総被引用数は5768達しており、アジア人で初となる最多引用top5論文賞を2期連続で受賞している。その中でも若年から老年にいたる骨脆弱化に関する概念は診療ガイドラインを塗り替え日常診療に還元した(受賞18賞)。本講演では、たかがコラーゲン、されど大事なコラーゲンからみた運動器の成熟と老化を科学し議論を深めたい。。

16:50~17:30

パネルディスカッション

  • 座長     小野整形外科 院長 小野 誠 先生
  • パネリスト  AKA医学会 理事長 かただ整形外科
    院長 片田 重彦 先生
  •        慶應義塾大学医学部解剖学講座
    准教授 今西 宣晶 先生
  •        東京医科歯科大学 大学院医歯学総合研究科・医学部 システム発生・再生医学分野
    教授 浅原 弘嗣 先生
  •        東京慈恵会医科大学 整形外科学講座
    主任教授 斎藤 充 先生